令和8年度 愛媛県NPO法人活動助成事業[人口減少対策活動助成]
地域ブランディングと情報発信|大本敬久先生編地域の価値を、
人と物語から見つける。
2026/10/07 開催|うわじま・メディアラボ 特別講座 第3回
いつも見ている景色や、食べ慣れた地元の味。そのよさを、初めて訪れる人にどう伝えたらよいのでしょうか。2026/10/07(水)、うわじま・メディアラボ第3回特別講座「地域ブランディングと情報発信」を開催しました。
前半を担当してくださったのは、愛媛大学の大本敬久先生です。歴史や食文化、地域で活動する人たちのお話から、身近なものの魅力を見つけ、伝える方法を学びました。講演の後には、参加者同士で話を聞き合うインタビュー実習も行いました。
身近なもののよさを見つけ、どう伝えるか。大本先生に、地域での取り組みを交えながらお話しいただきました。身近な「いいもの」を、どう伝える?
南予には、海も山もあり、それぞれの土地に食べ物や文化があります。ただ、地元では当たり前すぎて、そのよさに気づかないこともあります。大本先生は、ほかの地域と比べたり、なぜこの土地にあるのかを調べたりすることが、価値を見つけるきっかけになると話されました。
例に挙がったのは、椎茸です。採れたてのおいしさをその場で味わえるのは、限られた人だけ。加工品などにすれば、現地に来られない人にも楽しんでもらえます。素材のよさを、どんな形で届けるか。そこにも工夫の余地があるというお話でした。
こうして地域のよさを言葉にすることは、地元の人にとっても意味があります。子どもたちや住民が、自分たちの暮らす場所を知り、誇りを持つ。先生は、地域ブランディングのそうした役割にも触れられました。
宇和島の歴史を、もう少し長い時間で見てみる
先生が第1回から伝えてくださっているのは、宇和島を見る範囲を広げることです。世界とのつながりを考えるとともに、1000年、2000年という長い時間の中で、地域を見直していきます。
宇和島の歴史と聞くと、お城や伊達家を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今回の講座では、そこからさらに時代をさかのぼり、三間や立間などの古い地名にも目を向けました。今の市街地を中心に見ているだけでは気づきにくい歴史が、周辺の地域にも残っています。
有名な場所を知ったうえで、その周りにも目を向けてみる。まだ聞いたことのない話や、訪ねてみたい人が見つかるかもしれません。これから取材を始めるうえでも、覚えておきたい視点です。
三間や立間の古い地名から、城下町ができる前の宇和島へと目を向けました。その人の話を聞くと、地域がもっと身近になる
同じみかんでも、誰が、どんな場所で、どんな思いで育てているのかを聞くと、味わう楽しみが増えます。お城を案内する人や、祭りを受け継ぐ人との出会いも同じです。大本先生は、ものの背景にある人の暮らしや物語を伝えることが、地域への関心につながると話されました。
講演には、吉田の祭りや神楽、遍路道、段畑、麦味噌など、身近なものが次々に登場しました。なぜこの土地で生まれ、どのように受け継がれてきたのか。その背景までたどると、伝えたいことが増えていきます。
段畑の風景にも、人々の暮らしが刻まれています。海で魚を取り、山の斜面では作物を育てる。先生は、漁業と農業を組み合わせ、家族で仕事を受け継いできた歴史を紹介されました。そうした話を聞くと、見慣れた風景から、そこで働いてきた人の姿が見えてきます。
段畑で作物を育て、海で仕事をする。地域の風景をつくってきた暮らしについて学びました。歌や遊びにすると、伝わることがある
地域のことを知ったら、今度はどう伝えるか。先生が紹介された方法はさまざまでした。段畑と海のつながりをミュージカルにする。災害の歴史をイラスト入りの地図で学ぶ。かるたで遊びながら、地元のことを知る。相手に合わせて、伝え方を工夫していきます。
吉田高校の生徒たちは、昔の津波の記録を読み、実際にまちを歩き、その学びを歌にしたそうです。古い記録も、自分たちの言葉や表現に置き換えることで、ほかの人が親しみやすいものになります。
西日本豪雨の後に続けてこられた、子どもたちとの活動についてもお話がありました。家や風景が変わってしまっても、地元を嫌いにならないでほしい。その思いから、地域にある大切なものを伝えてこられたそうです。地域を学ぶ時間を通じて、子どもたちの気持ちも支えたい。そうした先生の思いが伝わるお話でした。
地図やかるたを使い、子どもたちと楽しみながら地域を学ぶ取り組みが紹介されました。まずは隣の人に、話を聞いてみる
講演の後は、参加者同士でインタビューに挑戦しました。2人1組になり、地域で取り組んでいることや、興味のあることを聞き合います。そして、聞いた話を短いPR記事とキャッチフレーズにまとめました。
- 自分のことを書き出す。地域で取り組んでいること、興味のあること、やってみたいことを書き出す。
- 相手の話を聞く。どんな活動をしているのか、地域のどんなことに関心があるのかを聞く。
- 短い記事と見出しにする。聞いた話の中から伝えたいことを選び、短い文章と見出しにまとめる。
- 相手のことを紹介する。自分の紹介ではなく、インタビューした相手のことを発表する。
発表では、地域の外から見た宇和島の魅力や、地元の歴史・文化を発信したいという高校生の思いなどが紹介されました。同じ地域のことでも、人によって関心を持つところは違います。相手の話を聞くことで、自分がまだ知らなかった一面に出会える。そんな取材の第一歩を体験しました。
2人1組で相手の話を聞き、短い記事とキャッチフレーズを考えました。大本先生は、広報には、人と関係をつくっていく意味があると話されました。まず会って話を聞き、その人のことを誰かに伝える。地域ブランディングという大きなテーマも、そうした身近な行動から始められるのだと学びました。
聞いて、記録して、伝える。
次は一緒にやってみませんか。
今回体験したインタビューを、これからの取材や制作につなげていきます。講座の最後には清家理事から、今後の予定をご案内しました。写真や音声で記録を残し、AIも使いながら文章を整え、内容を確かめる。そうして集めた情報を、ブログやYouTubeで発信していく計画です。FMがいやにご協力いただき、ラジオ番組づくりにも取り組む予定です。
中学生・高校生はもちろん、一般の皆様も一緒に学ぶ実践講座です。取材から発信まで、順を追って取り組んでいきます。
| 日程・時間 | テーマと内容 | ご案内 |
|---|---|---|
| 2026/11/07(土)13:00–15:30 | 第5回|インタビュー・写真・音声記録FMがいや放送基礎/取材先への配慮 |
詳細・申込 (準備中) |
| 2026/12/05(土)13:00–15:30 | 第6回|AI補助編集・事実確認日本語記事・英語要約/出典と公開前確認 |
詳細・申込 (準備中) |
| 2026/12/19(土)13:00–15:30 | 第7回|ラジオ原稿・音声編集写真・記事の組み合わせ/中間発表 |
詳細・申込 (準備中) |
| 2027/01/30(土)13:00–15:30 | 第8回|Web・ラジオ・YouTube横断制作宇和島の過去・現在・未来を企画化 |
詳細・申込 (準備中) |
| 2027/02/06(土)13:00–15:30 | 第9回|制作物の仕上げ・発表準備公開前確認・発表練習・学びの整理 |
詳細・申込 (準備中) |
各回参加費:1,000円。日程・内容は2026/10/07にご案内した予定です。会場や申込方法などの詳細は、各回の案内ページでお知らせします。
準備ができ次第、上の予定表から各回の案内をご覧いただけるようにします。
話を聞いてみたい人がいる。地元の風景を写真に残したい。地域のことを誰かに伝えてみたい。そんな関心をお持ちの方は、ぜひご参加ください。
この記事は、2026/10/07の第3回特別講座の字幕をもとに、講演の内容を読みやすくまとめたものです。発言をそのまま書き起こしたものではありません。開催概要と今後の予定は、講座の案内資料をもとに掲載しています。
配信記録:第3回特別講座のアーカイブを見る
関連レポート:第1回「世界的視野で見る宇和島の歴史・文化」
資料確認日:2026/10/08
English SummaryClick to expand / クリックして開く
On 2026/10/07, Uwajima Media Lab held its third special lecture, “Community Branding and Communication,” at Pafio Uwajima. This report covers Takahisa Oomoto’s lecture and interview workshop.
Oomoto encouraged participants to discover the value in familiar landscapes, foods and traditions, and to express it through people and their stories. Looking beyond well-known castle-town narratives can reveal the diverse histories of communities such as Mima and Tachima.
Examples included the connections between terraced fields and livelihoods at sea, as well as musicals, local-history cards and songs that make knowledge accessible. He also described community learning activities for children after heavy-rain disasters.
Participants worked in pairs, interviewed one another and drafted short promotional articles and headlines. The central message was that public relations involves building relationships, as well as sharing information.
Upcoming practical sessions are planned for 2026/11/07, 2026/12/05, 2026/12/19, 2027/01/30 and 2027/02/06, all from 13:00 to 15:30. Topics progress from interviews and recording to AI-assisted editing, fact-checking, radio production and cross-media publishing. The announced fee is JPY 1,000 per session. Registration pages are being prepared; venue and further details will be announced separately.